transit Vol.5
アレクサンダー・クリッヒェル
(c)Uwe Arens | アレクサンダー・クリッヒェル(ピアノ) |
若い才能をご紹介するシリーズtransitの第5弾は、ドイツの俊英ピアニスト、アレクサンダー・クリッヒェルをご紹介します。22歳にしてソニー・クラシカルと専属契約を結び、数々のドイツの名門オーケストラでコンチェルト・デビューを果たし、一方では数学者としても優秀な天才肌の26歳の若者です。前半は得意とする「歌うピアノ」を披露するプログラム、モーツァルトのソナタ、シューベルトの歌曲、ショパンの「ラ・チ・ダレム変奏曲(モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」の『お手をどうぞ』による変奏曲)を組み合わせ、後半は超絶技巧を要する大曲、ラフマニノフの「楽興の時」全6曲。1曲1曲が明快なテーマと世界観を持つ音楽を現在の彼がどう表現するのか、新たな発見にお立合いください。
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第6番 ニ長調 K284(205b) 「デュルニッツ」
シューベルト/リスト:セレナード(「白鳥の歌」 S.560 R.245より)
:魔王(「12の歌」 S.558より)
ショパン:モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」の『お手をどうぞ』による変奏曲 変ロ長調 Op.2
********** 休憩 **********
ラフマニノフ:楽興の時 Op. 16 (全6曲)
(c)Uwe Arens |
アレクサンダー・クリッヒェル(ピアノ) 1989年、ハンブルク生まれ。6歳でピアノを始める。15歳よりハンブルク音楽・演劇大学で学び、2007年からはハノーファー音楽・演劇大学でウラディミール・クライネフに師事、現在はロンドン王立音楽大学にてドミトリー・アレクセーエフに師事している。11年にソニー・クラシカルと専属契約を結び、13年にソニーからのデビュー盤である『春の夜~メンデルスゾーン、シューベルト、リスト、シューマン:ピアノ作品集』をリリースした。このCDは批評家・聴衆の双方から非常に高い評価を得ており、ドイツのCDチャートにも、すぐさまランクインした。同年、エコークラシック賞の「ニューカマー・オブ・ジ・イヤー」を受賞し、ガラ・コンサートの模様はドイツのZDFテレビで放送された。最新のCDは、ソニー・クラシカルからの2枚目となる『ショパン、フンメル、モーツァルト』(ヴォイチェフ・ライスキ指揮/ポーランド室内フィルハーモニー管弦楽団)のほか、自身のデビュー録音である『洞察~クリッヒェル・プレイズ・リスト』がテロス・ミュージックよりリリースされた。これまでに、ベルリンのフィルハーモニーおよびコンツェルトハウス、ハンブルク・ライスハレ、ミュンヘンのヘラクレス・ザール、ケルン・フィルハーモニーなどで演奏している。14/15シーズンは、チューリッヒ・トーンハレ、ウィーン・コンツェルトハウス、シュトゥットガルトのリーダーハレへ初登場する。著名な音楽祭にも登場しており、これまでに、ピアノ・オ・ジャコバン、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン、ラインガウ、メクレンブルク・フォアポンメルン、キッシンゲンの夏等の音楽祭に出演している。オーケストラとは、ジョナサン・ノット指揮バンベルク交響楽団、ミヒャエル・ザンデルリンク指揮ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団、アレクサンダー・マルコヴィッチ指揮ブレーメン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・シュターツカペレ室内管弦楽団、ルツェルン音楽祭弦楽合奏団等と共演している。科学・製薬企業であるドイツ・バイエル社の文化プログラム“stART programme”に選ばれ、同社の文化芸術部門からスポンサーとして支援を受けている。音楽での成功以外にも、他分野での活動も行っており、ウィリアム・スターン協会より、特に才能のある数学者として認定を受け、現在ハンブルク大学の数学科の聴講生でもある。さらに、数学オリンピックのほか、ドイツ政府が毎年開催する連邦外国語コンクールや、生物学の分野での研究活動におけるドイツ連邦コンクールなどでも入賞を果たしている。 |