ガブリエル・リプキン
2008年5月22日(木) 19:00開演
全席指定 5,000円
(c)Marco Borggreve |
ガブリエル・リプキン(チェロ) |
リプキンの音楽を聴く時、ある種の覚悟を要します。彼の音楽は無垢なる情熱を持って聴き手の全身に迫ってきます。怖いほどひたむきに。それ故彼の音楽に触れると心がやけどしそうになります。悲しみ、怒り、笑い、憎しみ、慈しみetc.…。あらゆる感情が彼の雄弁な超絶技巧によって引き出されます。そして呆然となっているところへ人懐っこい黒い瞳と優しい声で語りかけてくるから始末が悪いのです。このイスラエルに生まれた新星は、自らレパートリーを拡大し掘り下げるための長い演奏活動の休止期間を経て、巨星への道を歩み出しました。心を掴まれるのを覚悟してお出かけください。
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011より プレリュード
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ 第4番 ハ長調 Op.102-1
ブリテン:チェロ・ソナタ ハ長調 Op.65
********** 休憩 **********
シューマン/リプキン:ホルンとピアノのためのアダージョとアレグロ 変イ長調 Op.70
ブラームス:チェロ・ソナタ 第2番 ヘ長調 Op.99
(c)Marco Borggreve |
ガブリエル・リプキン(チェロ) 1977年イスラエル生まれ。3つの大陸の3つの音楽学校を卒業し、12以上のコンクールで最高位を受賞。2002年にベルリンで行われた第1回エマニュエル・フォイアマン国際チェロ・コンクールでは、モーツァルトの協奏曲およびライマンの「ソロⅡ」の演奏解釈に対して、それぞれ特別賞を獲得した。15歳でズービン・メータ指揮のイスラエル・フィルと共演。その後も、ミュンヘン・フィル、ボルティモア響などのメジャー・オーケストラ、フィリップ・アントルモン、ジュゼッペ・シノーポリらの指揮者、ユーディ・メニューイン、ピンカス・ズーカーマン、ユーリー・バシュメット、ギドン・クレーメルらの錚々たる演奏家と共演する。00年から演奏活動を休止し、レパートリーの拡大などを主たる目的としたサバティカル休暇に入る。その成果は、自身のプロデュースによる2枚のCD、民俗的な背景を持った小品を集めた「ミニアチュールとフォークロール(細密画と民俗音楽)」、バッハの無伴奏チェロ組曲を取り上げた「シングル・ヴォイス・ポリフォニーⅠ(単一声部=多声音楽)」とに結実。いずれも高い評価を得、バッハのCDはミュンヘンで「ローズ賞」を受賞した。これまでにウズィ・ウィーセル、アントニオ・メネセス、バーナード・グリーンハウスらに師事。2007年に初来日し、その実力と才能を圧倒的に示した。使用楽器は、A.M. Garani(1702年ボローニャ)。 オフィシャルHP http://www.lipkind.info/ |
ロマン・ザスラフスキー(ピアノ) ロシア生まれのイスラエルのピアニスト。サンクトペテルブルク音楽院に在学中より数多くのコンクールで優秀な成績を収めてきた。1991年にロシアを離れた後、イスラエルのテル・アヴィヴのルービン音楽院で研鑽を続け、アメリカ=イスラエル文化財団の奨学金を獲得。その後、引き続きドイツでフランクフルトとカールスルーエの高等音楽院にも学んだ。97年「セニガリア市国際ピアノ・コンクール」(イタリア)で第4位。98年「トリエステ・トリオ」国際室内楽コンクールでブラームスのソナタの解釈に対する特別賞、「V.グイ」室内楽コンクールで3位。そして、2000年「ホセ・イトゥルビ」国際ピアノ・コンクール(スペイン)で優勝した。スコットランド・ヘラルド紙は、彼の演奏を「ダイナマイトが爆発するようなタッチで燃え上がるかのようであり、まるで戦いの場面を見るような興奮である」と評し、ドイツでは「超絶技巧を持った鍵盤のライオンだ」と絶賛された。ガブリエル・リプキンとは、14歳のころから共演。現在、ドイツに在住し、ヨーロッパ・アメリカでソリストとして確実な活動を行っている。 |