ナレク・アフナジャリャン 一問一答
王子ホールマガジン Vol.41 より 若い才能をご紹介するtransitシリーズの第4弾は、2011年に開催されたチャイコフスキー・コンクールでチェロ部門の1位、ゴールドメダル、そして2つの特別賞に輝いたアルメニア出身の俊英、ナレク・アフナジャリャン。品格のあるたたずまい、成熟されながらもさらなる高みを期待させる演奏―ーぜひ会場でそのステージ・プレゼンスを感じていただきたいアーティストです。本人のメッセージと演奏曲についてのコメントをご覧ください―ー |
ナレク・アフナジャリャン(チェロ) 1988年アルメニア生まれ。地元エレバンの音楽学校を経てモスクワ音楽院に進み、アレクセイ・セレズニョフに師事。ロストロポーヴィチ・ロシアン・パフォーミング・アーツ・ファンドから奨学金を受け、2006年にはアルメニアのアラム・ハチャトゥリアン国際コンクール1位、若き弦楽器奏者のためのヨハンセン国際コンクール1位等を受賞。その後ローレンス・レッサーの指導を受け、11年にニューイングランド音楽院からアーティスト・ディプロマを取得。同年、第14回国際チャイコフスキー・コンクールでチェロ部門の1位とゴールド・メダルを獲得し世界の舞台に踊り出る。使用楽器はダビッド・テヒラーの1698 年製のチェロ。 |
Q アルメニアで生まれてロシアとアメリカで教育を受けてこられましたが、いわゆる「ロシア的伝統」を受け継いでいるという自覚はありますか? ナレク・アフナジャリャン(以下「ナレク」) 私はロシアの伝統の一部であることに大きな誇りを感じています。ロシアではモスクワ音楽院を含め2つの学校で学びましたし、もう12年以上もロシアに住んでいるからです。しかし、私はニューイングランド音楽院でも2年間学び、そこでアメリカ流の演奏について多くを学びましたので、ロシアの伝統とアメリカの伝統を私の演奏の中で結合させられることも誇りに思います。 Q 音楽家としてどのような成長をしたいとお考えですか? 室内楽や録音、教育など、興味のある活動があれば教えてください。 ナレク 私の考えでは、音楽家として豊かになるための一番の方法は、すばらしい音楽家たちと共演することだと思います。アスペン、ヴェルビエ、ロシア、母国アルメニアなどの音楽祭で室内楽を演奏することで、すばらしい演奏仲間から多くを学びました。マスタークラスで教えるのもとても好きなので、依頼されれば受けるようにしています。将来的にはもっとたくさんマスタークラスをすることになると思います。 Q 最後に今回の公演に向けての抱負をお聞かせください。 ナレク 大好きな日本でまた演奏できることをとても嬉しく思います。日本の聴衆の皆さんは、いつもクラシック音楽や演奏家に対して深い敬意を抱いておられ、それが私たちにさらに演奏へのエネルギーを与えてくださいます。もうすぐ、王子ホールで皆さんにお会いできることを楽しみにしています! (文・構成:柴田泰正 写真:Ruth Crafer 翻訳・協力:ジャパン・アーツ) |
[ナレク・アフナジャリャンによるプログラム・コメント ] ベートーヴェン:モーツァルトの「魔笛」の『恋を知る男達は』の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO.46 ショパン:序奏と華麗なポロネーズ ハ長調 ブロナー:ユダヤ人:生と死 フドヤン:無伴奏チェロ・ソナタ 第1番 ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 Op.19 ロストロポーヴィチ:ユーモレスク Op.5 |
【公演情報】 transit Vol.4 ナレク・アフナジャリャン 2013年10月25日(金) 19:00開演(18:00開場) |
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