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Concert  コンサート情報

World Chamber Music 音の世界遺産 #3
アリム・カシモフ

2008年717日(木) 19:00開演

全席指定 6,000


アリム・カシモフ(ヴォーカル、パーカッション)
アリ・マンマドフ(タール)
ラウフ・イズマモフ(ケマンチェ)
ファルガナ・カシモバ(ヴォーカル、パーカッション)

世界各地の伝統芸術音楽のなかで、古典(クラシック)と呼ぶに相応しい音楽を選んで提供するシリーズ「音の世界遺産」。第3回の今回はアゼルバイジャンの伝統歌唱ムガームの巨匠アリム・カシモフを迎えます。2005年に放映されたNHK「新シルクロード」のテーマ曲冒頭の朗々たる歌唱はカシモフの歌声でした。初来日となるこの公演は、アゼルバイジャンの人間国宝ともいえるカシモフの力強く生命観漲る「魔法の歌声」に生で触れる絶好の機会です。

 

※YouTubeにカシモフのドキュメンタリー映像が掲載されています。
http://jp.youtube.com/watch?v=-JwrvvsxF3I

プログラム

ムガームの演奏は演者の感情を反映して即興的に演奏される為、
事前に決まった形の曲目リストやプログラムはありません。
当日発表となります。

プロフィール

アリム・カシモフ(ヴォーカル、パーカッション)

1957年、アゼルバイジャンのシャマハに生まれる。アゼルバイジャンの最も優れたムガーム歌手として知られ、これまでに9枚のアルバムを発表、近年は同国内の新聞、テレビなど様々なメディアで注目を浴びる。娘であるファルガナ・カシモバとも過去3枚のムガームのアルバムを発表している。フランス、イギリス、ドイツ、ベルギー、スペイン、ブラジル、イラン、アメリカなど世界各国での演奏経験を持つ。アリムは、伝統的なアゼルバイジャン音楽であるムガームを演奏することで知られ広く人気を博する。ムガームは中央アジアのトルコ語圏とコーカサス地方の伝統音楽であり、アゼルバイジャン国内では最も複合的で、複雑な音楽形態の一つとされている。ムガームが演奏される際の編成は、通常シンガーとアンサンブル(タール、ケマンチェ、ダフ)という構成である。フランスの新聞「ル・モンド」紙はアリムの歌声を「魔法の声」と評し、聞くものは皆その意味を必ず理解すると報じた。さらに「フォーク・ルーツ・マガジン」誌はアリムを「20世紀で最も偉大な歌手の1人」とした。アリムはまた、新たなムガームファンを生み出してもいる。通常ロシア語教育を受けたアゼルバイジャンの若い世代はムガームに興味を示すことは少なく、その多くが洋楽ポップ・ミュージックを好んで聴く。しかし、そんな彼らでさえ、アリム・カシモフのコンサートには自ら足を運び、CDを購入している。99年、アリムは音楽界において最も栄誉ある賞の一つであるユネスコ音楽賞を受賞した。(過去の受賞者にはディミトリ・ショスタコーヴィチ、レナード・バーンスタイン、ラヴィ・シャンカール、ヌスラット・ファテ・アリ・カーンがいる。)

ファルガナ・カシモバ(ヴォーカル、パーカッション)

ムガームの代表的歌手として知られるアリム・カシモフを父にもつ。その音楽的才能はもちろん、あくなき唄への情熱を存分に受け継いだ女声ムガーム歌手である。これまでに父アリムとは3枚のアルバムで共演。父の後押しもあり、近年、国際音楽フェスティバルへの参加等、その活動の場を広げている。2007年には自身のドキュメンタリー映画「The Meditation of the Days」が国際音楽フェスティバル「Womex(World Music Expo)」で公開となる。また同年、父娘でアゼルバイジャンにてレコーディングを行ったアリム&ファルガナ名義のアルバム「CentralAsian Series, Vol. 6: Spiritual Music of Azerbaijan」も米レーベルより発表されている。来日メンバーは常にアリムと一緒に演奏している若手のミュージシャン。2006年5月にシルクロード・アンサンブルというアゼルバイジャン、バクーを拠点とするアリム・カシモフ、ヨーヨー・マ、5人のアゼルバイジャンミュージシャンからなる音楽プロジェクトのコンサートで演奏経験がある。

【楽器紹介 ※Wikipediaより引用】

タール
タール(tar)はイラン、アゼルバイジャン、グルジア、アルメニアその他のカフカース地方で見られる長いネックのリュート属の楽器。「タール」とはペルシア語で弦をさす。18世紀中ごろ現在の形になったといわれる。桑の木を切り分けて2つの椀をあわせた型をしており、表面は羊の皮を伸ばした薄い膜でおおわれている。25から28のフレットと、複弦で3コース張られ,、真鍮のピックで演奏される。

ケマンチェ
ケマンチェ(kemancha)は擦絃楽器の一種。ケメンチェ(kemanche)とも。ヴァイオリン、フィドルの源流楽器。西洋クラシック音楽の範疇では扱えないくらいの微分音を駆使するため、音程の調節に伸ばした爪を使うのが特徴である。かつては弦に絹が使われていたが、最近ではスチール弦が使われている。

ダフ
ダフ(daf)はイラン、アゼルバイジャン、クルディスタンその他の西アジアでみられる大型の枠太鼓。伝統音楽とポピュラー音楽の両方で使用される。タンブリンのように鈴や小さなシンバルを備えているものもある。