G-Lounge #18
ルー・クワール・デ・ラ・プラーノ
マニュ・テロン(リーダー) |
音楽のブイヤベースのようなハーモニー~NHK BS番組「Amazing Voice」で話題を呼んだフランスのマルセイユ発男声コーラス、ルー・クワール・デ・ラ・プラーノがG-Loungeに登場します。グレゴリオ聖歌を思わせる息の長い旋律。呼びかけと呼応による歌唱法。重なり合う対位法。声のみでなく手拍子、足踏み、プリミティブな打楽器をも駆使して創り出される響きの螺旋。即興によって幾重にも膨らんで行くオック語の歌詞の世界、その胸を突き刺す強さ。ヨーロッパ各地のみならず北アフリカの音楽さえも取り込む独自のスタイルはまさに原始とモダンの融合。或は、せめぎ合い。まるで音楽のブイヤベースのように美味なハーモニーを味わい尽くしてください。
*オック語(l'occitan)とは……?
フランス南部を中心に、一部の地域で話されている言葉。中世頃が全盛期で、その後衰退に向かうが、存続を願う動きも根強い。ル・クワール・デ・ラ・プラーノの活動も、オック語維持の思想に根付いている。
別離 実話を元にしたオクシタニア伝統の別れの歌。
聖トロティマ 1871年に起こったマルセイユ・コミューンのプロテスト・ソング。
われらが国 北アフリカからの移民が直面する困難に言及した作品。
ヤリ烏賊とキックスクーター マルセイユの悪徳政治家たちが題材。
ファイ・フレッチ オクシタニアのクリスマス・キャロル。
ここから出て行け 生まれたときから「出て行け」と言われ続けている男の物語。
区々のファランドル マルセイユの街区の特徴などを歌い上げるマルセイユ讃歌。
怠け者で食いしん坊 七つの大罪のなかでも「怠惰」と「暴食」は人を幸せにすると主張。
ワル 1871年のパリ・コミューンのプロテスト・ソング。
マルセイユ・マフィアのマズルカ 政界に進出したマルセイユのマフィア連中が殺し合いをはじめ・・・。
明日があるさ 家賃の支払いから墓場まで、「先延ばし」の美徳を歌う。
仕事の話はしないで・・・ 金やラクな暮らしからは得られない幸福があると説く。
ラ・リベルタ 19世紀末のコミューン革命に触発されて生まれた「オクシタニア自由讃歌」。
ルー・クワール・デ・ラ・プラーノ(男声コーラス) 2001年、フランスのマルセイユでマニュ・テロンを中心に結成された男声ヴォーカル・グループ。「クワール」とは、オック語で「合唱団」という意味と同時に「心臓」という意味も持つ。聖歌、ダンシング・ソング、行進曲、クリスマス・ソングなど、手がけるジャンルは多岐にわたる。古代オック語の歌詞をうたい、手拍子や足踏み、手作りの打楽器などシンプルな奏法にこだわり、アフリカやアラブを想起させる原始的な響きを奏でる一方で、その音楽はリアルな現実感をもち、近代的ですらあり。表現はときに荒々しく、ときに優しい。オリジナリティあふれるその手法は他に類を見ない。『ニューヨーク・タイムズ』誌で「豊富な和声を用いたハーモニーと、喜びにあふれ弾むような対位法。音楽は力強く、かつ繊細である」、また『ル・モンド』誌においては「怒りのエネルギー、興奮を呼ぶ激しい力、生まれ変わって甦る熱い歌唱」と評されるなど、世界的に注目されている。これまでに3枚のアルバムをリリース。フランスのアカデミー・チャールズ・クロ賞大賞、「ムジーク・ドゥ・モンド」誌のSACEM賞などを受賞。11年6月にNHK BSプレミアムの”Amasing Voice”(驚異の歌声)にて紹介され、日本でも注目を集め始めている。 |