エンリコ・ガッティ
~バッハと“ヴェネツィアの音楽”~
2013年11月22日(金) 19:00開演
全席指定 6,000円
エンリコ・ガッティ(バロック・ヴァイオリン) |
イタリアのバロック・ヴァイオリンの貴人、エンリコ・ガッティが5年ぶりに来日。イタリアへの憧れが込められているかのような、バッハのヴァイオリン・ファンタジーとも言える世界を展開します。共演は前回「アッコルドーネ」のメンバーとして共に王子ホールに登場しているグイド・モリーニです。ヴェネツィアとその周辺の作曲家に影響を得た作品と、その人々の作品に彩られた今回のプログラムを見ていますと、バッハがその当時入手した楽譜を繰りながら沸き立つ思いにかられている様が浮かんできます。ガッティは持ち前の気品ある艶に満ちた音色でこの曲たちを次々に目覚めさせていきます。これぞヴァイオリン・ファンタジー!
F.A.ボンポルティ: ヴァイオリンと通奏低音のためのインヴェンション ト短調 Op.10-4
J.S.バッハ: 協奏曲 ニ短調 BWV974(原曲 A.マルチェッロ: オーボエ協奏曲) ※オルガン・ソロ
A.ベルターリ: ヴァイオリンのためのチャコーナ(クロムニェジーシュ写本)
J.S.バッハ: ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV1021
J.S.バッハ: 協奏曲 ヘ長調 BWV978(原曲 ヴィヴァルディ: ヴァイオリン協奏曲) ※オルガン・ソロ
J.S.バッハ: オルガンのためのトリオ・ソナタ 第5番 ハ長調 BWV529(ヴァイオリンとオルガンのためのソナタ)
エンリコ・ガッティ(バロック・ヴァイオリン) 1955年にイタリアのペルージャに生まれ、アルナルド・アポストリとアルフレード・フィオレンティーニに師事した後、17、18世紀の作品の研究に力を注いでいた。ジュネーヴ音楽院でキアラ・バンキーニに師事し、バロック・ヴァイオリンのディプロマを取得後、ハーグ王立音楽院でシギスヴァルト・クイケンに師事した。ラ・プティット・バンド、アンサンブル415、コンチェルト・パラティーノ、エスペリオンXXなどと共演し、レ・ザール・フロリサン、レ・タラン・リリク、リチェルカーレ・コンソート、コンチェルト・ケルンなどのコンサートマスターも務めている。86年にイタリアでアンサンブル・アウロラを結成し、音楽監督を務めている。ハルモニア・ムンディ(フランスとドイツ)、アクサンとリチェルカーレ(ベルギー)、フォニト・チェトラ、タクトゥスとシンフォニア(イタリア)、アルカナとアストレ(フランス)、グロッサ(スペイン)などに録音しており、93年と98年に「アントニオ・ヴィヴァルディ賞」を受賞し、「ディアパゾン・ドール賞」も度々受賞している。近年は後進の指導にも力を入れており、トゥールーズ音楽院、ジュネーヴ音楽院、バーゼル・スコラ・カントールム、ミラノ市立音楽院のバロック・ヴァイオリン科の教授を務め、現在はハーグ王立音楽院とローマのサンタ・チェチーリア音楽院でバロック・ヴァイオリンを教えている。また、ブリュージュ(93年)、バルセロナ(95年)、ロヴェレート(97、98年)などの国際古楽コンクールの審査員を務めた。 |
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グイド・モリーニ(チェンバロ&オルガン) 1959年ミラノ生まれ。オルガンとチェンバロを専攻し、古楽、特に通奏低音と即興を専門的に勉強した。ヨーロッパの主要な音楽家とコンサートで共演。レコーディングは70枚を超え、その多くが賞を受賞し、世界中のジャーナリズムの注目を浴びている。ミラノ・テアトロ・アルセナーレのM.スプレアーフィコと共に、音響、スペース、ジェスチャ、楽器の関係を研究するワークショップを始めた。昔のマエストロ・ディ・カッペッラ(教会付属聖歌隊指揮者)が既存の音楽の演奏だけでなく、特に自分のアンサンブルを念頭に置いてレパートリーを構成したように、モリーニも古楽のスタイルによる編曲や改作を手がけたが、その後自由な作曲へと幅を広げ、アッコルドーネのためにコンサート、オラトリオ、教会音楽の作曲を行ってきた。 |