ダニエル・ミュラー=ショット
2007年6月15日(金) 19:00開演
全席指定 6,000円
ダニエル・ミュラー=ショット(チェロ) |
若くして世界の一流指揮者、オーケストラと共演し、ムター、プレヴィンらに愛されているドイツの新しいスター、ダニエル・ミュラー=ショット、初の本格的リサイタルです。ベートーヴェンのソナタ中最も有名な第3番、自身のアルバムでも美しい詩を歌うかのように奏でているシューマン、そして偉大な先人に捧げられたプロコフィエフという名曲プログラムを掲げて、盟友ロベルト・クーレックと共に颯爽と登場します。彼が奏でる、瑞々しい優雅な音楽に身を委ねてください。
MESSAGE
ベートーヴェンのイ長調ソナタは、数あるチェロ曲の中でも最もポジティブで、それでいて深遠さと陽気さをそなえた作品だと思います。ベートーヴェンはこの曲において、チェロとピアノという2つの楽器がもつ『声』を、完璧なバランスで調和させているといえるでしょう。
シューマンのソナタは、原曲で使われていたヴァイオリンという楽器の、とてもダークで、情念が渦巻くような一面をよくあらわしています。こういった部分はチェロにうってつけだと思い、作品を自分の手で編曲したところ、2003年にチェロとピアノによる世界初録音の機会に恵まれました。
プロコフィエフのソナタは偉大なるチェリスト、ムスティスラフ・ロストロボーヴィチに触発されて書かれ、彼に捧げれらています。この作品にはプロコフィエフの管弦楽曲にみられる要素がすべて備わっているように思います。もちろん管弦楽とは異なり、こじんまりとした室内楽的な装いになっていますが。それにこの作品にはオペラのような部分があり、ユーモアや優雅さ、エレガンスといったスパイスを音楽に加えています。
王子ホールのような会場で、さまざまな作曲家の作品を演奏し、オーディエンスの皆さんとお会いできるのをとても楽しみにしています。すべての人にとって記憶に残る体験になるといいですね!
――ダニエル・ミュラー=ショット
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ 第3番 イ長調 Op.69
シューマン/ミュラー=ショット:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 Op.105
プロコフィエフ:チェロ・ソナタ ハ長調 Op.119
ダニエル・ミュラー=ショット(チェロ) 1976年ミュンヘン生まれ。チェロをハインリッヒ・シフ、スティーヴン・イッサーリス等に師事。15才の時、「第1回・若い音楽家のためのチャイコフスキー・コンクール(モスクワ大会)」で優勝、同年、ムターと共演。以後わずか数年の内に世界で最も優れたチェリストの仲間入りを果たした。確かな様式感と並はずれた音楽的見識をもって聴衆に新しい聴き方を提示し、また、聴き慣れた作品にも新鮮な解釈を与えると評されている。共演した指揮者にはマズア、エッシェンバッハ、デュトワ、シャイー、アシュケナージなど、またオーケストラではフランス国立管、フィラデルフィア管、ニューヨーク・フィル、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、シカゴ響、イスラエル・フィルなど超一流がひしめく。またロンドンのウィグモアホール、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ミュンヘンのヘラクレスザールをはじめ、世界各国でリサイタルを行っている。さらに、室内楽演奏者としても活躍。中でもムター、プレヴィンと結成したトリオは、世界各国で好評を呼んだ。その他テツラフ、レーピン、フォークト、イッサーリス、ジャン=イヴ・ティボーテなどと共演。また、国際的な音楽祭にも定期的に招聘されている。録音では、バッハの無伴奏チェロ組曲全曲集、フランスの作曲家によるチェロ作品集、彼自身のアレンジによるハイドンの協奏曲集とベートーヴェンの「ロマンス」2曲が収められているCD、さらにハチャトリアンの協奏曲のCDをリリース後、ヨアヒム・ラフの協奏曲集を録音。シューマンのチェロとピアノの作品集、そしてエルガー&ウォルトンのチェロ協奏曲集(プレヴィン指揮オスロ・フィルハーモニー)、ショスタコーヴィチの協奏曲集(クライツベルク指揮バイエルン放送交響楽団)をリリース。またムター、プレヴィンとのモーツァルトのピアノ三重奏曲のCDとDVD、最近ではメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲集を出している。楽器は1700年製マッテオ・ゴフリラーを使用。 |
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ロベルト・クーレック(ピアノ) ラトヴィア生まれ。現在は、アメリカ在住。音楽教育をニューヨークのマネス音楽院で受け、ボストンのニューイングランド音楽院、ジュリアード音楽院で、加えて演劇をロンドンで学ぶ。また、エール大学で、クロード・フランク、ボリス・ベルマンに師事して、ピアノ演奏法の学位を授与されている。1994年、フィレンツェで開催されたヴィットリオ・グイ室内楽コンクールで優勝。以来、ニコライ・ズナイダー、ギル・シャハム、ジュリアン・ラクリン、ユリア・フィッシャー、ダニエル・ミュラー=ショット、アラベラ・シュタインバッハー、ゲイリー・ホフマンなどのアーティストと共演。また、ベルリン・フィルハーモニー、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ロンドンのウィグモアホールなど一流ホールで演奏している。音楽祭では、ルツェルン音楽祭、ラヴィニア音楽祭などに参加。録音にはダニエル・ミュラー=ショットと共演したフランク、ドビュッシー、プーランクのソナタ集(2002年5月)、シューマン作品集(2003年5月)がある。 |