小山実稚恵
2005年6月23日(木) 19:00開演
全席指定 5,000円
(c)Hideki Otsuka |
小山実稚恵(ピアノ) |
スクリャービン:
即興曲 嬰へ短調 Op.14-2
3つの小品 Op.2
第1曲 練習曲 嬰ハ短調
第2曲 前奏曲 ロ長調
第3曲マズルカ形式の即興曲 ハ長調
24のプレリュード Op.11より
第1番 ハ長調、第4番 ホ短調、第5番 ニ長調、第6番 ロ短調
第7番 イ長調、第10番 嬰ハ短調、第13番 変ト長調、第20番 ハ短調
ピアノ・ソナタ 第3番 嬰へ短調 Op.23
********** 休憩 **********
2つの詩曲 Op.32
第1番 嬰へ長調
第2曲 ニ長調
ピアノ・ソナタ 第9番 「黒ミサ」 Op.68
2つの詩曲 Op.69より 第1曲 アレグレット
ピアノ・ソナタ 第10番 Op.70
詩曲 「焔に向かって」 Op.72
<スクリャービンに憑かれて…>
スクリャービン(1872~1915)、わずか43年の人生の中の更に30年弱の作曲家人生の中で、彼の作風がこれほどに変化していったのはなぜか… ソナタ全10曲を弾いてみて、謎は深まるばかりでした。私の中でその謎は、最初は縺れた麻紐のように絡み合い、決して解けることなどないように思えていた のですが、じっと見つめているうちに「なんと美しく絡み合っているものか!」と思えるようになってきました。暗闇で空気に揺れる微妙な焔の動きを感じなが ら、耳を澄まして音を聞き取ろうとすると、眠っていたような全身の感覚は呼び起こされ、見えない色がはっきりと感じられるような気がしてくるのです。必然 と偶然が重なり合った音楽、それがスクリャービンの音楽なのです。
――小山実稚恵
(c) | 小山実稚恵(ピアノ) 1982年チャイコフスキー・コンクール第3位、85年ショパン・コンクール第4位と日本人として初めて二大国際コンクー ルに入賞し、その後も人気、実力ともに日本を代表するピアニストとして目覚しい活躍を続けている。2005年にはショパンコンクール入賞から20年を迎 え、東京、仙台、京都にてコンチェルトの記念演奏会を開催するほか、ショパンのバラード全曲を中心にしたプログラムで全国リサイタルツアーを行う。海外 オーケストラとの共演も数多く、04年6月のフェドセーエフ指揮モスクワ放送交響楽団との共演で、ロシアの抒情を見事に表現した名演を披露したことは記憶 に新しい。またシリーズ企画にも積極的に取り組み、02年から04年は、スクリャービン、ラフマニノフのソナタ全曲他を全7回、01年から05年はブラームスの室 内楽を全5回にわたり、それぞれ行っている。近年は室内楽の分野にも意欲的に目を向け、ピアノのピリス、ヴァイオリンのデュメイ、チェロのブルネロなどと も共演している。レコーディングも活発に行い、ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルと専属契約を結び、数多くのCDをリリース。最新盤は「スクリャービン:ピアノ・ソナタ全集(3枚組)」(ピアノソナタ全10曲、24の前奏曲、詩曲他)。今後のリリースとしてはショパンのバラード集を予定している。東京芸術 大学、同大学院修了。吉田見知子、田村 宏に師事。 |