ポール・ルイス
~ベートーヴェン 後期三大ソナタの夕べ~
2015年10月28日(水) 19:00開演
全席指定 6,000円
【12月17日(木)に公演延期】
ポール・ルイスは9月中旬にロンドンで腸疾患の緊急手術を受け、
執刀医より術後6週間は演奏旅行を控えるよう勧告されたため、
やむなく公演を延期することになりました。お手持ちのチケットは、
そのまま振替公演でご利用いただけます。ご希望の方はチケットの払い戻しをいたします。
ポール・ルイス(ピアノ) |
ポール・ルイスの演奏には虚飾がない。鍵盤の前で自分を消し、音楽そのものを伝えようとする姿は修道僧のようだ。その細い身体のどこに秘めているのかと思うエネルギーが炸裂するフォルティッシモも極限の美しさを湛えるピアニッシモも、硬質でクリアなタッチから濁りのないポールの音楽が彼の身内から湧き出でる時、何故か静かな深く冷たいイングランドの湖の風景が思い浮かぶ。鍵盤を離れた彼同様、決して冷たいわけではない、何かにせかされたり流されたりせず、誠実に本質を見つめる、いつまでも聴いていたいと思わされるポールの音楽。それは年を重ねるごとにどんどん深まることでしょう。シューベルト・チクルスを経て、階段を更に上ったポールのベートーヴェン後期三大ソナタにご期待ください。
〇音楽ライター後藤菜穂子氏による復帰コンサートのレポート
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 Op.109
:ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 Op.110
********** 休憩 **********
:ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 Op.111
ポール・ルイス(ピアノ) チェタム音楽学校にてリスザルド・バクストに、またギルドホール音楽学校にてジョーン・ハヴィルに師事。その後アルフレード・ブレンデルの薫陶を受ける。ロイヤル・フィルハーモニック協会のアーティスト・オブ・ザ・イヤー賞、サウスバンク・ショウのクラシック音楽賞、ディアパソン・ドール賞、2年連続のエディソン賞(オランダ)、第25回キジアーナ音楽院国際賞(イタリア)、ドイツ・シャルプラッテン賞、ライムライト賞(オーストラリア)、そして2008年のレコード・オヴ・ザ・イヤーを含む3つのグラモフォン賞ほか数々の賞を受賞。また09年にはサウサンプトン大学より名誉博士号を授与されている。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲、ピアノ協奏曲全曲およびディアベリ変奏曲を取り上げた演奏会シリーズとハルモニア・ムンディによる録音は世界中から称賛されており、その集大成として、10年にはBBCプロムスにおいてベートーヴェンのピアノ協奏曲全5曲を一挙演奏した初のピアニストとなった。これまでにシュヴァルツェンベルクのシューベルティアーデ、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭、ラインガウ音楽祭など各地の音楽祭や名門ホールから招かれ、ロンドンのウィグモア・ホールでは既に50回以上の演奏会を行っている。コリン・デイヴィス、ハイティンク、ドホナーニ、エルダー、マッケラス、サヴァリッシュ、ハーディング、アンドリュー・デイヴィス、ビェロフラーヴェク、ネルソンス、クリヴィヌ、ジョルダンといった世界的な指揮者たちと共演。また、ロンドン響との欧米ツアー、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、ロサンジェルス・フィル、シカゴ響、ロンドン・フィル、フィルハーモニア管、ボストン響、バイエルン放送響、オスロ・フィル、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、チューリッヒ・トーンハレ管との共演、マーラー室内管とのスペイン・ツアー、オーストラリア室内管とのアメリカ・ツアーなどがあり、ソロではロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ベルリン・フィルハーモニー、ウィーン・コンツェルトハウス、東京の王子ホール、シカゴのオーケストラ・ホール、アムステルダム・コンセルトヘボウ、チューリッヒ・トーンハレ、バーデン・バーデンのフェストシュピールハウスなどに登場している。11〜13年には、シューベルトがその生涯最後の6年間に作曲したピアノ作品全曲演奏をロンドン、ニューヨーク、シカゴ、東京、メルボルン、ロッテルダム、ボローニャ、フィレンツェ、シュヴァルツェンベルクのシューベルティアーデなどの世界の主要会場で行った。ハルモニア・ムンディでの録音は、2つの2枚組CDでのシューベルトのピアノ作品、ハーディング指揮マーラー室内管とのモーツァルトのピアノ協奏曲集、そしてシューマンとムソルグスキーのピアノ作品などがリリースされている。演奏活動に加え、ノルウェーのチェリストで妻のビョルク・ルイスと共に、イギリスのバッキンガムシャーで毎年開催される室内音楽祭「ミッドサマー・ミュージック」の芸術監督も務めている。 |