ojihall


Concert  コンサート情報

ポール・ルイス20th
シューベルト・チクルス Vol.5

2013年22日(土) 15:00開演

全席指定 5,000

完売
2012年9月29日(土)


(c)Josep Molina

ポール・ルイス(ピアノ)

次代の巨匠として近年欧米を中心に着実にキャリアを重ねているイギリスのピアニスト、ポール・ルイスが世界で展開する2年越しのシューベルト・チクルス全5回、締めくくりの年となります。外来アーティストの公演中止が続いた2011年4月の第1回からポール・ルイスが演奏するシューベルトの音楽は聴衆の心を動かし、大きな感動を与え続けてくれています。4回目のプログラムは、シューベルティアーデの様子が目に浮かぶような親しい友人たちに捧げられた私的な曲から友人への別れの曲へ。生と死の間に横たわる幻想があるとすれば、ワルツを踊っている人々も今この瞬間も幻想なのかもしれない、彼の演奏を聴いているとふとそんな思いに駆られるのです。

 

MESSAGE

 

2年にわたって19世紀最高峰のピアノ音楽に取り組めたことは、大変な名誉です。シューベルトの音楽には実に多様な心情が描かれており、聴く人は誰もがどこかしらに接点を見出せます。そして聴き手が音楽のあらゆるディテールを身近に感じられる環境こそが、シューベルトの表現の深さを味わい尽くせる理想的なコンサート環境といえるでしょう。あらゆるディテールが重要性を持つなか、王子ホールの親密な空間と音響、そして集中力の高いオーディエンスの皆さんのおかげで、演奏家は申し分のない環境でこの音楽に語らせ、そして歌わせることができます。このシューベルト・チクルスを王子ホールで続けられたことはたいへん誇らしいことで、シリーズの締めくくりとして偉大なる後期三大ソナタを演奏できる日を楽しみにしています。波乱に満ちた第19番 ハ短調に始まり、第20番 イ長調の郷愁を経て、第21番 変ロ長調の悟りの境地へ――こうして私たちは19世紀に生まれた素晴らしき音楽の旅を感動とともに終えることになるのです。

 ――2012年8月 ポール・ルイス

>>インタビューを読む

プログラム

【シューベルト・チクルス 全5回

Vol.1
2011年4月21日(木)19:00開演 【1月29日(土)発売】

ピアノ・ソナタ 第15番 ハ長調 D840
3つのピアノ曲 D946 1.変ホ短調 2.変ホ長調 3.ハ長調

********** 休憩 **********

ピアノ・ソナタ 第17番 ニ長調 Op.53, D850

-------------------------------------------------------------

Vol.2
2011年7月1日(金)19:00開演 【4月23日(土)発売】

12のワルツ D145
4つの即興曲 Op.90, D899

********** 休憩 **********

ハンガリーのメロディ ロ短調 D817
ピアノ・ソナタ 第18番 ト長調 Op.78, D894 「幻想」

-------------------------------------------------------------

Vol.3
2011年12月8日(木)19:00開演 【6月25日(土)発売】

4つの即興曲 Op.142, D935

********** 休憩 **********

楽興の時 Op.94, D780
幻想曲 ハ長調 Op.15, D760 「さすらい人幻想曲」

-------------------------------------------------------------

Vol.4
2012年4月12日(木)19:00開演 【11月26日(土)発売

16のドイツ舞曲と2つのエコセーズ Op.33, D783
アレグレット ハ短調 D915
ピアノ・ソナタ 第14番 イ短調 Op.143, D784

********** 休憩 **********

ピアノ・ソナタ 第16番 イ短調 Op.42, D845

※曲順が上記の通り変更となりました。

-------------------------------------------------------------

Vol.5
2013年2月2日(土)15
:00開演 【2012年9月29日(土)発売 

ピアノ・ソナタ 第19番 ハ短調 D958
ピアノ・ソナタ 第20番 イ長調 D959
ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D960

プロフィール

(c)Josep Molina

ポール・ルイス(ピアノ)

リヴァプール生まれ。チェタム音楽学校、ロンドンのギルドホール音楽学校で学ぶ。その後、アルフレッド・ブレンデルから正式に教えを受ける。1994年のロンドン国際ピアノコンクールを含め多くのコンクールで成功した後、BBCの「新世代アーティスト」に選ばれる。またウィグモア・ホールはヨーロッパ・コンサート・ホール協会の「ライジング・スター」の代表演奏家にポール・ルイスを選出する。シューベルト・ピアノ・ソナタ・シリーズはウィグモア・ホールを含め英国中の会場で演奏会が持たれた。「サウス・バンク・ショウ・クラシック音楽賞」と2003年のロイヤル・フィルハーモニック協会の「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞。ハルモニア・ムンディの録音は、04年と05年の2年連続オランダのエジソン賞を受賞したのを含め多くの国際的な賞を勝ち取っている。シューベルトのピアノ・ソナタ・シリーズの成功に続いて、2007年ヨーロッパとアメリカでベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会のチクルスを行う。最近の国際的な活動は、リサイタルとコンチェルトを含めヨーロッパ全域、アメリカ、カナダ、日本、オーストラリアに至る。05年テレビ放送された「ラスト・ナイト」等、BBCプロムスに定期的に出演、さらにチェルトナムとエジンバラの国際音楽祭、シュヴァルツェンベルクのシューベルティアーデ、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭、リゾールとバンクーバーの室内音楽祭にも定期的に出演している。これまでに共演したオーケストラは、イギリスの主要なオーケストラをはじめ、シカゴ響、ウィーン響、ウィーン室内管、ケルン室内管、シドニー響、メルボルン響、シアトル響等。指揮者は、コリン・デイビス、ベルンハルト・ハイティンク、クリストフォン・ドフォナーニ、サー・マーク・エルダー、サー・チャールズ・マッケラス、ヴォルフガング・サヴァリッシュ、マリン・オルソップ、イヴォール・ボルトン、リチャード・ヒコックス、エマニュエル・クリヴヌ、アレクサンダー・ポリアニフコ、ヨゼフ・スヴェンセン、ヴァシリ・シナイスキー、ゲラルド・シュヴァルツ等と共演。室内楽奏者としても、マイケル・コリンズ、エイドリアン・ブレンデル、シネ・ノミネ四重奏団、レオポルド弦楽三重奏団等と共演。05~06年シーズンはベルンハルト・ハイティンク指揮ロンドン響とベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲を共演、また06年のBBCプロムスでロンドン・フィル、ティル・フェルナーとモーツァルトの2台のピアノのための協奏曲を共演。09年秋、シカゴ響にモーツァルトの協奏曲でデビュー。10年には、夏のBBCプロムスで異なる指揮者、異なるオーケストラでベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲を演奏というプロムス史上初の快挙を成し遂げる。最新アルバムはシューベルト・ピアノ作品集(ハルモニア・ムンディHMC902115.6)。