波多野睦美 歌曲の変容シリーズ 第6回
「メッツォ・メッツォ」
~メゾ・ソプラノとヴィオラ、ピアノによる低い音色の一夜~
2010年10月21日(木) 19:00開演
全席指定 5,000円
(c)雨宮秀也 |
波多野睦美(声) |
ルネサンスから20世紀までの歌曲の歴史を見渡し、その時代ならではの様式の変化、また同時に時代を越えても変わらず聴く人の心に訴える歌曲の魅力を、熟成期を迎えた大人の歌手、波多野睦美が伝えていくシリーズ。第6回は、「メッツォ・メッツォ」と題してヴィオラとメゾ・ソプラノによる“低めの音”の夜を、実力派ヴィオリスト川本嘉子を迎えてお届けします。
Mezzo×Mezzo
川本嘉子さんの発した ある一音を聞いた時
未知の生き物の「声」に触れたような気がした
そして
この声と一緒に歌いたいと思った
しかし
ヴィオラとメゾ・ソプラノ――これ以上に地味 かつ滋味のある組み合わせはなく
こんな組み合わせに曲を書いてくれた作曲家も 限りなく少ない
そこで
高橋悠治さんに新曲をお願いしました
「猫の歌」 ピアノも加わって どんな三重唱になるのでしょう?
――波多野睦美
ヨハネス・ブラームス:「アルトとヴィオラ、ピアノのための2つの歌」
鎮められたあこがれ
聖なる子守歌
レベッカ・クラーク:「3つのアイルランド民謡」
高橋悠治:「長谷川四郎の猫の歌」
猫の歌
おかし男の歌
白鳥の歌
あさのまがりかどの歌
花火の歌
他予定
(c)雨宮秀也 |
波多野睦美(声) 宮崎大学教育学部卒業後、英国ロンドンのトリニティ音楽大学声楽専攻科を修了。1990年にイギリス・ルネサンスのリュートソング・プログラムでデビューし、リュート奏者つのだたかしとともに日本、イギリスを中心に多くのコンサート、音楽祭に出演。リュートソングの魅力と新たな可能性を示して広く聴衆の共感と支持を受け、海外のメディアにも高い評価を得ている。また、ルネサンス、日本の近現代に至る歌曲を主要なレパートリーとして活動し、間宮芳生、武満 徹、高橋悠治など日本の現代作品のプログラムにも積極的にとり組んでいる。2005年から王子ホールで「歌曲の変容」シリーズを始める。さらにバッハやヘンデルのオラトリオなどでのソロの他、オペラ出演でもモンテヴェルディ「オルフェーオ」の使者、ムジカ、「ポッペアの戴冠」のオッターヴィア、パーセル「ダイドーとエネアス」のダイドーなど、深い表現力で注目される存在。宗教的な作品を歌う《アンサンブル・エクレジア》、古楽器バンド《タブラトゥーラ》にも参加。パルドン、エイベックスから多数のCD作品を発表している。最新作は自らプロデュースしたパーセルの歌曲集「ソリチュード」。 オフィシャルHP http://www.linkclub.or.jp/~dowland |
川本嘉子(ヴィオラ) 1992年ジュネーヴ国際コンクール・ヴィオラ部門最高位(1位なしの2位)。96年村松賞、97年第7回新日鐵音楽賞・フレッシュアーティスト賞受賞。ソリスト・室内楽奏者として最も活躍しているヴィオラ奏者の1人。京都アルティ弦楽四重奏団、AOIレジデンス・クヮルテットのメンバー。91年東京都交響楽団に入団。99年より2002年退団まで首席奏者を務める。タングルウッド、マールボロ、ダボス、東京の夏、霧島音楽祭、サイトウキネン、小澤音楽塾、水戸室内管、アルゲリッチ音楽祭等に参加し、アルゲリッチやバシュメットなどと共演し絶賛を博している。チョン・ミョンフンとの室内楽では日本・韓国公演も行っている。ソリストとして、これまでにガリー・ベルティーニ、ジャン・フルネ、ペーター・マークなどの著名な指揮者と共演。東京藝術大学弦楽器科非常勤講師。 |
|
え:柳生弦一郎 |
高橋悠治(作曲家、ピアニスト) 柴田南雄、小倉 朗、ヤニス・クセナキスにまなぶ。1960年代はクセナキス、ケージなどの現代音楽のピアニストとして活動。70年代は日本の前衛音楽誌『トランソニック』の編集。78-85年アジアの抵抗歌を独自のアレンジで演奏する「水牛楽団」。76年から現在まで画家・富山妙子とスライドと音楽による物語作品の製作。90~2007年高田和子のために伝統楽器と声のための作品を作る。いまはピアノでクラシックとフリーミュージックを演奏し、作曲し、執筆している。最近のCDにはブゾーニ、モンポウ、バルトーク、石田秀実、戸島美喜夫のピアノ作品集。著書に「高橋悠治/コレクション1970年代」「音の静寂静寂の音」(平凡社)、「きっかけの音楽」(みすず書房)。 オフィシャルHP http://www.suigyu.com/yuji/ |