鈴木康浩(ヴィオラ)

出演回数 45回

まさか自分が出演回数トップ5に入るだなんて!(笑)
これまでの出演で特に記憶に残っているのは、やはりマロさんとの絡みでしょうか。まだ無名だった自分を起用してくれてありがたかったですね。パントマイムとの公演では演奏しながらの動きがあって、自分としては初めてステージ上で演奏以外のことをしました。そしてムチャ振りに応えることで精神力も鍛えられましたね。

「お昼の名曲サロン」をスタートしたころはトークがぐだぐだだったけれど、最近では褒めていただくことも増えました(笑)。自分のシリーズをもってなにがうれしいかって、自分が弾きたい曲に取り組めるんですね。弾きたい曲はたくさんあるけれど、それを実際に演奏する『場』はそう多くはありません。その『場』を提供してもらえて、たくさんの知られざる名曲を弾いて経験を積んでこれたのは自分にとって大きな財産です。

王子ホールに出始めたころは年長のマロさんたちにいろいろと教えてもらいました。それがいま40代になって、もっと若い人たちと共演する機会が増えてきました。自分が蓄積したことを若い世代に伝えたいという気持ちもあるし、若い人たちからも吸収できることもたくさんある。自分にとっての活動の主軸はオケと王子ホールという気がしていて、ここから広がっていった活動もたくさんあります。この空間は自分にとってすごく特別で、ホームグラウンドと感じています。これからも音楽家を応援してくれるホールであり続けてほしいと願っています。

そして王子ホールに集まるお客様、応援してくださってありがとうございます! いつも演奏していてお客様との一体感を感じるし、昔のサロンコンサートはこういう雰囲気だったろうなと思います。弾いていて感じる一体感って、それこそが芸術が生まれる大事な要素だと思うんです。自分が練習して構築してきたことと、共有することで生まれるインスピレーション。最終的にそれがひとつの芸術になるのだと思います。皆さんはそれを実現させてくれる大切なお客様です――って、言っていて恥ずかしくなってくるけれど、本当にそう思っているんですよ!(笑)

2004年10月30日 「MAROワールド Vol.2 “モーツァルト”」。パントマイム集団『水と油』との共演では演奏中に楽譜を取られてしまい……。

2010年10月20日 「お昼の名曲サロン Vol.4」。チェロの上森祥平に初見でドホナーニの弦楽三重奏を演奏させるというイタズラが炸裂。

2014年1月30日 「お昼の名曲サロン Vol.10」。『ヴィオラ四銃士』にスペシャルゲスト清水直子を加えて《宇宙戦艦ヤマト》を演奏。