ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)

出演回数 23回

王子ホールにはたくさんの思い出があるから、どれかひとつを挙げるというのは難しいですが、ピアノのジェローム・デュクロとの王子ホールでの初めてのリサイタルは印象に残っています。もう何年も前ですが、最初の曲がピアティゴルスキーが編曲したハイドンの「ディヴェルティメント」だったことも覚えているし、その最初の一音まで印象に残っていますよ。あのときはNHKの収録も入っていて、かなり緊張したというのも理由のひとつでしょうが (笑)。

王子ホールにはこれからも今まで通りの王子ホールでいてほしいです。もちろん出演するアーティストは世代交代していくでしょう。今年だけでもエドガー・モローやカルテット・アロドといった若い才能が登場しますね。でもこのホールのスピリットは維持してほしい。 王子ホールではとても普段では体験できない様々な世界に触れてきました。岸 惠子さんや森山開次さんとコラボレーションできたことも、とても恵まれていたと思います。お客様はとても熱心に聴いてくれるし、自分たちが何を求めているかよくわかっている。いつものスタッフの皆さん、いつものオーディエンスの皆さんと一緒に、ファミリーのような温かさのなかでこれからも音楽を共有していくことを楽しみにしています。

2003年10月30日 王子ホールでの初リサイタルはピアノのジェローム・デュクロとの共演。

2007年10月2日 J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲6曲それぞれの頭に現代作曲家の新作を加えた「6つの組曲と6つのエコー」。これにダンサー森山開次とのコラボレーションを絡めるという野心的なプログラム。2日間で全曲を2回通すというタフな演奏会となった。

王子ホールでは異なるプログラムで2日間演奏するのがお決まりとなったアルカント・カルテット。この日はハイドンの大曲「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」を演奏。