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Concert  コンサート情報

ポール・ルイス
シューベルト・チクルス Vol.2

2011年71日(金) 19:00開演

全席指定 各日5,000円、2公演(Vol.2~3)セット券9,000

完売

(c)Jack Liebeck

ポール・ルイス(ピアノ)

次代の巨匠として近年欧米を中心に着実にキャリアを重ねているイギリスのピアニスト、ポール・ルイスが世界で展開する2年越しのシューベルト・チクルス。王子ホールがアジアのホストとなります。彼の名は恐らくほとんど日本で知られていないでしょう。リヴァプールの労働者階級の家庭でサッカー狂の父と音楽にあまり興味がない母のもとに生まれたポールは、8歳でロックでもサッカーでもない、クラシック音楽に目覚め、20歳の時にアルフレッド・ブレンデルに出会います。以来2人の師弟関係は今日に至り、偉大な師の内にある人間的な温かさやユーモアといったものを理解し、お互いに共鳴し合ってているようです。ポール・ルイスは時流に乗った華やかさから遠くに身を置いて、地道にマイペースを貫いています。その在り方は地味なぐらいですが、自分がやりたいことが明確なのでしょう。彼の音楽は単なる超絶技巧ではない、一音たりともおろそかにせず、その曲に込められている喜びや悲しみを、時にダイナミックに、時にウィットを含ませ、時に壊れる寸前まで繊細に、これらすべてが美しく瑞々しく大切に演奏されます。そのポールが敬愛するシューベルトに懸ける2年間をご一緒に追いかけてみませんか?声高に持論を振りかざすのではなく、隣に座って訥々と思いを告げるかのような人間シューベルトの音楽をポール・ルイスのピアノで聴いていただきたいのです。

 

MESSAGE

 

シューベルトの音楽には憧れや絶望、親しみ、ノスタルジアといったものが率直かつ直截的にあらわれており、聴く人はその音楽に動かされ、引き込まれずにはいられません。

身の周りのあらゆるものがスピードとセンセーションと効率を志向する世の中にあって、自分の内部を見つめ、魂を探求するシューベルトの音楽はますます重要性を増しています。

彼の音楽は静寂を求めているようなところが少なからずありますが、ついに静寂が訪れたときには、それがいかに大事なものかをしみじみとわからせてくれます。

シューベルト・チクルスを2年にわたって王子ホールで演奏するのを、今からとても楽しみにしています。

 

日本を襲ったたいへんな悲劇を受けて、世界中の人々がこの数週間、深い悲しみに暮れています。私は日本国民ではありませんが、私達は皆この世界の住人です。そして私達はどの国の出身であろうと関係なく、たとえどんなに小さなことであっても自分たちの役割を果たし、日々の営みをつないでいかねばなりません。だからこそ私は今月、日本でシューベルトを弾く決意をしたのです。東北地方の復興に向けて働く人々の努力に比べれば、私が日本を訪れることなどほんの小さな努力に過ぎません。ですがこのような状況の中で日本の皆様の前で演奏できることを、非常に光栄に思います。

 

――2011年4月 ポール・ルイス

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プログラム

【シューベルト・チクルス 全5回

Vol.1
2011年4月21日(木)19:00開演 【1月29日(土)発売】

ピアノ・ソナタ 第15番 ハ長調 D840
3つのピアノ曲 D946 1.変ホ短調 2.変ホ長調 3.ハ長調

********** 休憩 **********

ピアノ・ソナタ 第17番 ニ長調 Op.53, D850

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Vol.2
2011年7月1日(金)19:00開演 【4月23日(土)発売】

12のワルツ D145
4つの即興曲 Op.90, D899

********** 休憩 **********

ハンガリーのメロディ ロ短調 D817
ピアノ・ソナタ 第18番 ト長調 Op.78, D894 「幻想」

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Vol.3
2011年12月8日(木)19:00開演 【6月25日(土)発売】
 

4つの即興曲 Op.142, D935

********** 休憩 **********

楽興の時 Op.94, D780
幻想曲 ハ長調 Op.15, D760 「さすらい人幻想曲」

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Vol.4
2012年4月12日(木) 【発売日・価格未定】
 

16のドイツ舞曲と2つのエコセーズ Op.33, D783
ピアノ・ソナタ 第14番 イ短調 Op.143, D784
アレグレット ハ短調 D915
ピアノ・ソナタ 第16番 イ短調 Op.42, D845

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Vol.5
2013年2月予定 【発売日・価格未定】
 

ピアノ・ソナタ 第19番 ハ短調 D958
ピアノ・ソナタ 第20番 イ長調 D959
ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D960

プロフィール

(c)Jack Liebeck

ポール・ルイス(ピアノ)

イギリスのリヴァプール生まれ。チェタム音楽学校、ロンドンのギルドホール音楽学校で学ぶ。その後、アルフレッド・ブレンデルから正式に教えを受ける。1994年のロンドン国際ピアノコンクールを含め多くのコンクールで成功した後、BBCの「新世代アーティスト」に選ばれる。またウィグモア・ホールはヨーロッパ・コンサート・ホール協会の「ライジング・スター」の代表演奏家にポール・ルイスを選出する。シューベルト・ピアノ・ソナタ・シリーズはウィグモア・ホールを含め英国中の会場で演奏会が持たれた。「サウス・バンク・ショウ・クラシック音楽賞」と2003年のロイヤル・フィルハーモニック協会の「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞。ハルモニア・ムンディの録音は、04年と05年の2年連続オランダのエジソン賞を受賞したのを含め多くの国際的な賞を勝ち取っている。シューベルトのピアノ・ソナタ・シリーズの成功に続いて、2007年ヨーロッパとアメリカでベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会のチクルスを行う。最近の国際的な活動は、リサイタルとコンチェルトを含めヨーロッパ全域、アメリカ、カナダ、日本、オーストラリアに至る。05年テレビ放送された「ラスト・ナイト」等、BBCプロムスに定期的に出演、さらにチェルトナムとエジンバラの国際音楽祭、シュヴァルツェンベルクのシューベルティアーデ、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭、リゾールとバンクーバーの室内音楽祭にも定期的に出演している。これまでに共演したオーケストラは、イギリスの主要なオーケストラをはじめ、シカゴ響、ウィーン響、ウィーン室内管、ケルン室内管、シドニー響、メルボルン響、シアトル響等。指揮者は、コリン・デイビス、ベルンハルト・ハイティンク、クリストフォン・ドフォナーニ、サー・マーク・エルダー、サー・チャールズ・マッケラス、ヴォルフガング・サヴァリッシュ、マリン・オルソップ、イヴォール・ボルトン、リチャード・ヒコックス、エマニュエル・クリヴヌ、アレクサンダー・ポリアニフコ、ヨゼフ・スヴェンセン、ヴァシリ・シナイスキー、ゲラルド・シュヴァルツ等と共演。室内楽奏者としても、マイケル・コリンズ、エイドリアン・ブレンデル、シネ・ノミネ四重奏団、レオポルド弦楽三重奏団等と共演。05~06年シーズンはベルンハルト・ハイティンク指揮ロンドン響とベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲を共演、また06年のBBCプロムスでロンドン・フィル、ティル・フェルナーとモーツァルトの2台のピアノのための協奏曲を共演。09年秋、シカゴ響にモーツァルトの協奏曲でデビュー。10年のハイライトは、夏のBBCプロムスで異なる指揮者、異なるオーケストラでベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲を演奏したこと。1人の演奏家がプロムスのワン・シーズンでベートーヴェンのピアノ協奏曲を全曲演奏するのは史上初のことである。