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Concert  コンサート情報

アンヌ・ケフェレック

2010年1117日(水) 19:00開演

全席指定 6,000

完売
アンヌ・ケフェレック(ピアノ)

1968年のミュンヘン国際音楽コンクールで優勝以来、本国フランスのみならず各国のオーケストラから招かれ尊敬されているアンヌ・ケフェレックが王子ホールに初登場します。近年、以前に増して脚光を浴びていますが、フランスのエレガンスが漂う佇まいもさることながら、作品に対する知的なアプローチから生まれる音楽は滋味深さを増し、聴く者の心から体の隅々まで敬虔な喜びで満たしてくれます。プログラムはバロックから古典派、ロマン派へ。ショパンは幼少期から青年期、壮年期へと作品が配されています。ケフェレックのピアニズムの真髄に触れられるひと時を、王子ホールの空間でご堪能ください。

 

MESSAGE

 

プログラムの第1部にバッハ、ヘンデル、ベートーヴェン、第2部にショパンを置くことによって、ショパンがこれらの権威ある偉大な作曲家たちをどれほど賞賛し、愛していたかを知って頂きたいと思いました。《平均律クラヴィア曲集》(バッハ)をショパンはいつもピアノのそばに置いておき、毎日弾いていました。また、ショパンは20歳の時、ヘンデルの《聖セシリアの祝日のための頌歌》に感動し、これこそ理想的な音楽と思っていました。これらの作曲家に比べれば、ベートーヴェンの世界をショパンは少し粗野だと思い、やや距離を置いていましたが、第1楽章がすばらしいノクターン(夜想曲)である《月光ソナタ》を好きだったに違いありません。プログラム第2部では、ノクターン(夜想曲)の前に、ショパンの子供のころ(7歳から11歳)に作曲したポロネーズ、次に、14歳に作曲されたマズルカと円熟期のマズルカ(作品50)が続きます。そして、最後に、スケルツォ第4番、この曲は夜の世界を離れて、その輝かしい喜びはショパンが人生を愛していたことを証明するものです。バッハ、ヘンデル、ベートーヴェンもそうであったのと同じように。

――アンヌ・ケフェレック

プログラム

J.S.バッハ/ブゾーニ:コラール前奏曲 「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」 BWV659a
J.S.バッハ:協奏曲 ニ短調より アダージョ BWV974-2 (原曲 マルチェッロ:オーボエ協奏曲)
J.S.バッハ/ヘス:カンタータ 第147番 「心と口と行いと生活が」より
            コラール“主よ、人の望みの喜びよ” BWV147
ヘンデル/ケンプ:メヌエット ト短調 HWV434
ヘンデル:シャコンヌ ト長調 HMV435
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 Op.27-2 「月光」

********** 休憩 **********

ショパン:ポロネーズ 変ロ長調 KK IVa-1
     :ポロネーズ 変イ長調 KK IVa-2
     :マズルカ 第8番 変イ長調 Op.7-4 (初稿)
     :ノクターン 第19番 ホ短調 Op.72-1
     :ノクターン 第1番 変ロ短調 Op.9-1
     :3つのマズルカ ト長調、変イ長調、ハ長調 Op.50 
     :スケルツォ 第4番 ホ長調 Op.54

プロフィール

アンヌ・ケフェレック (ピアノ)

パリ生まれ。5歳の時からピアノを学び、1964年にパリ音楽院に入学。65年ピアノ・クラスで、一等賞を、翌年ジャン・ユボーの室内楽クラスでも、一等賞を獲得し、パリ音楽院を首席で卒業する。その後さらに研鑽を積むため、ウィーンに留学し、アルフレッド・ブレンデルに師事する。68年、優勝者をなかなか出さないことで有名なミュンヘン国際音楽コンクールにおいて、審査員満場一致で優勝を果たし、翌年リーズ国際ピアノ・コンクールでも入賞。一躍ヨーロッパで大きな注目を浴びる。70年にウィーンでデビューし、翌年にはパリでデビューを飾った。これまでに、ロンドン交響楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団、BBC交響楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、BBCフィルハーモニック、BBCスコティッシュ交響楽団、バーミンガム市交響楽団、ハレ管弦楽団、アカデミー室内管弦楽団、ボーンマス交響楽団、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団、ノーザン・シンフォニア、フランス国立管弦楽団、スコティッシュ・チェンバー・オーケストラ等と共演する。日本では、NHK交響楽団と度々共演している。指揮者も、アルミン・ジョルダン、チャールズ・グローヴス、ネヴィル・マリナー、ピエール・ブーレーズ、コリン・デイヴィス、ジョン・エリオット・ガーディナー、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ、ルドルフ・バルシャイ、ジャン=クロード・カサドシュ、ローレンス・フォスター、テオドール・グシュルバウアー、ハインツ・ホリガー、マレク・ヤノフスキ、レイモンド・レパード、デイヴィッド・ジンマン等と共演する。またフランス各地で開かれているストラスブルク、ボルドー等の主要音楽祭に参加し、本国フランスのみならず、英国での彼女の人気と評価はとりわけ高く、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで毎年開催される「プロムス」には、繰り返し出演している。室内楽では、ラファエル・オレグ、オーギュスタン・デュメイ、レジス・パスキエ等とのデュオ、エンデリオン弦楽四重奏団、チリンギリアン弦楽四重奏団との共演、イモジェン・クーパーとの2台ピアノ等々があげられる。約30ものCDが、エラート、RCA、ヴァージン、ミラーレよりリリースされている。最近では、日本で毎年開催される「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン(熱狂の日)」音楽祭のメイン・ゲストとして、大活躍している。ピアニストとしての活動に対して、フランス政府より、芸術文化勲章オフィシエが授与された。