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Concert  コンサート情報

波多野睦美 歌曲の変容シリーズ 第9回
“月の沙漠~にほんのうた”

2014年116日(木) 19:00開演

全席指定 5,000 

完売
2014年6月28日(土)

(c)雨宮秀也

波多野睦美(歌)
西山まりえ(バロック・ハープ)
鈴木優人(ピアノ)

時代を超えた歌曲の魅力を波多野睦美の歌で再発見する「歌曲の変容シリーズ」。さまざまな楽器との共振、音楽的な対話を経て、歌曲の新しい横顔が見えてきます。第9回は、バロック・ハープの奏者、西山まりえと若き才人、鈴木優人のピアノとともに日本の歌をおおくりします。

 

言わずにおくことで伝わる何か。
言葉を連ねても伝わらないものが、控えることで届くことがある。
不思議なことだ。
言葉は伝達のツールであるはずなのに。

日本人はたった十七音しかない「俳句」という極小の文芸を
何百年にもわたって愛し育んできた。
多くを語ることの不可能な詩が、俳句だ。
だからだろうか。寡黙な詩を有した日本の歌を歌う時には、
観客との間にただよう余白が色濃く感じられる。
言葉のむこうに横たわる「記憶」がそうさせるのだろうか。
それはもしかしたら、観客や演奏者の個々の記憶なのではなく、
「日本語」という言葉そのものの記憶なのかもしれない。

―ー2014年 波多野睦美

プログラム

多 忠亮:宵待草
山田耕筰:からたちの花
小林秀雄:落葉松
梁田 貞:城ヶ島の雨
越谷達之助:初恋
佐々木すぐる:月の沙漠
服部良一:蘇州夜曲
小倉 朗:汽車のけむり
他予定

プロフィール

(c)雨宮秀也

波多野睦美(歌)

宮崎大学卒業。英国ロンドンのトリニティ音楽大学声楽専攻科修了。シェイクスピア時代のイギリスのリュートソングでデビュー。バッハ、ヘンデルなどの宗教作品、オラトリオのソリストを含め、さまざまなバロックオーケストラと共演し、国内外で多くのコンサート、音楽祭に出演。現代音楽の分野でも積極的に活動し、間宮芳生作品の世界初演、サイトウキネン武満 徹メモリアル、水戸芸術館「高橋悠治の肖像」、サントリーホール「作曲家の個展2013権代敦彦」他に出演。放送ではNHK「ニューイヤーオペラコンサート」「ららら♪クラシック」「名曲アルバム」「BSクラシック倶楽部」「日本の叙情歌」「題名のない音楽会」等に出演。オペラではモンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」のオッターヴィア、パーセル「ダイドーとエネアス」のダイドー、モーツァルト「イドメネオ」のイダマンテなど、深い表現力と存在感で注目される。王子ホールでの「歌曲の変容シリーズ」、朝11時からの「朝のコンサートシリーズ」を続けている。「ダウランド歌曲集 優しい森よ」「パーセル歌曲集 ソリチュード」など古楽器との共演による数多くのCDの他、高橋悠治との共演で「ゆめのよる」「猫の歌」を発表、いずれも高い評価を得る。2014年、高橋悠治(ピアノ)栃尾克樹(バリトンサックス)とのユニット《風ぐるま》のCDをリリース。音楽雑誌『アルテス』にエッセイ「うたうからだ」を連載中。BS-TBS「LIFE〜世界と踊る」でナレーションを担当。

波多野睦美ブログ http://www.hatanomutsumi.com

西山まりえ(バロックハープ)

チェンバロとヒストリカル・ハープ、2種の古楽器を自在に操る希有なプレーヤーとして世界的に知られ、数多くのコンサートや録音に参加。ユトレヒト音楽祭からはリサイタルに招聘され好評を博す。ルネ・ヤーコプス、ボブ・ヤング、「チーフタンズ」のパディ・モローニ、カルロス・ヌニェス、山下洋輔など、幅広いジャンルに渡る音楽家との共演で反響を呼ぶ。音楽番組、教養情報番組などTV出演も多い。アンサンブル「アントネッロ」メンバーとしても活躍。「レコード芸術」誌特選盤の「イタリア協奏曲&フランス風序曲」「スカルラッティ 鍵盤の魔術師」の他、「ゴルトベルク変奏曲」、またスペインの「リトゥモ」誌の最優秀推薦盤に選ばれた「ファンタシーアの奏法〜イベリア半島の鍵盤音楽」など録音作品多数。第11回山梨古楽コンクール・チェンバロ部門第1位および栃木[蔵の街]音楽祭賞受賞。古楽ワークショップ「信州アーリー・ミュージック村」芸術監督。日本演奏家連盟、日本ハープ協会、日本チェンバロ協会、日本イタリア古楽協会会員。

鈴木優人(ピアノ)

1981年オランダ生まれ。東京藝術大学作曲科を卒業後、同大学院古楽科修了。オランダ・ハーグ王立音楽院オルガン科(首席)及び即興演奏科(最優秀賞)修了。アムステルダム音楽院ではチェンバロをボブ・ファン・アスペレンに学ぶ。オルガンをヨス・ファン・デル・コーイ、鈴木雅明、指揮を北原幸男、作曲を青島広志、永冨正之、尾高惇忠に師事。2002年よりバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)のチェンバロ・オルガン奏者。J.S.バッハBWV 190喪失楽章の復元は高く評価される(Carus)。新国立劇場『ポッペアの戴冠』演出や勅使川原三郎とのコラボレーションなど、その活動に垣根はない。13年のBCJの公演に際し、モーツァルト「レクイエム」の補筆・校訂を行い、高い評価を得る。14年12月24日のサントリーホール・クリスマス・オルガンコンサートでは、昨年に引き続き構成・演出・オルガン演奏を行う。アンサンブル・ジェネシス音楽監督。日独リートフォーラム主宰。調布音楽祭総合プロデューサー。横浜シンフォニエッタ首席指揮者。