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Concert  コンサート情報

望月哲也 Wanderer Vol.5
~世紀末以後のウィーンに寄せて~

2014年36日(木) 19:00開演

全席指定 5,000

公演終了
2013年10月26日(土)

(c)Kohei Take

望月哲也(テノール)
河原忠之(ピアノ)

今回のWandererはウィーンにもう一度戻ります。
前半は19世紀、「世紀末のウィーン」。ブラームスらの後期ロマン派からの脱却を図ったマーラーに始まり、更に新しい音楽の可能性を模索していった、より若い世代の音楽家を紹介します。マーラーの11歳年下でアルマ・マーラーの愛人でもあったといわれるツェムリンスキー。続いてシェーンベルク。彼とツェムリンスキーは頻繁にマーラーのもとを訪れて作曲談義を交わしていたようです。後半は20世紀に突入。最初に取り上げるのは、まだ日本ではあまり著名ではないかもしれないヨーゼフ・マルクス。そして、彼が音楽を評価し、擁護したといわれているベルク、コルンゴルトをご紹介します。ベルクの最も有名な「初期の7つの歌」はテノールでの歌唱は珍しく、ある意味で今回のメインかもしれません。最後は、9歳で作曲したカンタータをマーラーに「天才!」と言わしめたコルンゴルトで締めます。

――望月哲也

プログラム

マーラー:春の朝/想いで/セレナーデ/自尊心(または《うぬぼれ》)     
ツェムリンスキー:歌曲集 第1集 Op.2 より
         聖なる夜/夜のささやき/真夜中に/街のはずれで
シェーンベルク:4つの歌曲 Op.2
        期待/あなたの金の櫛を私に/高揚/森の太陽

********** 休憩 **********

ヨーゼフ・マルクス:5月の花/マリアの歌/愛はあなたに触れる      
ベルク:初期の7つの歌
    夜/葦の歌/夜鳴きうぐいす/夢にみた栄光/部屋で/愛の賛歌/夏の日
コルンゴルト: 12の歌 Op.5より 
       少女/夕べの風景/山より/森の孤独/歌う気持ち

プロフィール

(c)Kohei Take

望月哲也(テノール)

天性のリリックな美声と音楽性で次世代を担う俊英。東京藝術大学および同大学院修了。文化庁派遣芸術家在外研修員として渡欧。ウィーン国立音楽大学研究課程リート・オラトリオ科にて研鑽を積む。これまでにバロック作品から『魔笛』『ドン・ジョヴァンニ』『ナクソス島のアリアドネ』『椿姫』『愛の妙薬』『セビィリアの理髪師』など数多くの作品で高評を得ているが、とりわけ2006年の二期会とハンブルグ国立歌劇場との共同制作『皇帝ティトの慈悲』での標題役では歌唱・演技とも各紙に絶賛された。09年東京二期会『カプリッチョ』若き音楽家フラマン、10年びわ湖・神奈川県民『ラ・ボエーム』ロドルフォでも成功を収め、新国立劇場『アラベッラ』『トリスタンとイゾルデ』『サロメ』、二期会『ドン・ジョヴァンニ』など活躍が続く。「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」などのエヴァンゲリスト、「メサイア」、モーツァルト、ヴェルディの「レクイエム」などの宗教曲のほか、「第九」などレパートリーは広範で、サヴァリッシュ、アシュケナージ、ベルティーニ、C.ミョンフン、小澤征爾などと共演しており、モーツァルトのミサ曲ではドイツ4都市やザルツブルグにも招聘された。08年ポーランド・レグニツァ市立劇場にて『魔笛』タミーノでヨーロッパデビューを果たし、ウィーン楽友協会での「第九」演奏会にも出演。同年オーストリア・シュタイアー音楽祭にて『蝶々夫人』ゴローで出演するなどヨーロッパでの活動の場も広げている。また「NHKニューイヤーオペラコンサート」に定期的に出演している他、豊麗な美声で注目の男声ユニット“IL DEVU”(イル・デーヴ)のメンバーとしても活躍。12年10月新国『ピーター・グライムズ』ホレース・アダムス、13年1月『タンホイザー』ヴァルター、4月『魔笛』タミーノ、6月『夜叉が池』(世界初演)晃で出演予定。CDは「Il mio tesoro」「Amarilli」「ひそやかな誘い~R.シュトラウス歌曲集」をリリース。二期会会員。

望月哲也ブログ http://ameblo.jp/tetsumocci

河原忠之(ピアノ)

国立音楽大学卒業。同大学大学院修了。1991年より渡伊。故アルド・プロッティのもとオペラ伴奏ピアニストを勤め数々の演奏会に出演。またマリア・カルボーネのもとでは伝統的なイタリアオペラの表現に留まらず発声法・ディクション等も取得。帰国後はサイトウキネンフェスティバル等でコレペティトゥールとして活躍。年間ステージは100を超え、リサイタル等のピアニストとしてその幅広い音色、繊細な音楽表現には定評がある。2006年江原啓之「スピリチュアル・ヴォイス・カウントダウン」大阪城ホールにて大阪センチュリー交響楽団を指揮し、指揮者デビューを果たした。また、08年「NHKニューイヤーオペラコンサート」において、プッチーニの生の映像をバックにプッチーニのピアノ・ソロを演奏し、好評を博した。09年11月国立音楽大学音楽研究所公演プッチーニ『ラ・ロンディネ』にてオペラ指揮者デビュー。確実にこの分野でもキャリアを伸ばしている。10年には自身が主宰するGruppo Kappa Opera旗揚げ公演『ヘンゼルとグレーテル』で各方面から絶賛を浴び、11年からはリサイタルシリーズ≪歌霊≫をスタートさせるなど、その活動は留まるところを知らない。現在、国立音楽大学及び大学院准教授。