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Concert  コンサート情報

モイツァ・エルトマン20th

2012年67日(木) 19:00開演
全席指定 6,500

完売
2012年1月28日(土) 10:00発売

(c)Felix Broede

モイツァ・エルトマン(ソプラノ)
ゲロルト・フーバー(ピアノ)

ヨーロッパのオペラ界に彗星の如く現れた美しい歌姫、モイツァ・エルトマンの日本初リサイタル。舞台に立つだけで物語の世界へ聴衆を引きずり込むオーラ、清澄な声は抗い難い魅力を放ち、その歌いだす様は、眠りからミューズが目覚める瞬間を思わせます。名門ドイツ・グラモフォンと契約したりその美貌から華やかな話題になりがちですが、宗教曲や歌曲を好む誠実派であり、今回もクリスティアン・ゲルハーヘルとヴォルフのイタリア歌曲集のアルバムで共演した名ピアニスト、ゲロルト・フーバーを迎えて万難排したプログラムで初リサイタルに臨みます。

 

しかし、その夜の驚きはモイツァ・エルトマンだった。若くスリムで金髪でスポーティな、モイツァ・エルトマンという、昨年このザルツブルクでモーツァルトの“ツァイーデ”を歌った歌手である。今回、彼女は “ツェルミーラ”を歌っている。強い個性、美しく、暖かく、技術的に完璧で非常に表現豊かな声。最大の歓声を浴びたのは彼女だった。

――オーストリア、2007年7月30日

プログラム

フランツ・シューベルト:幸福 D433
           :乙女 D652
           :恋はいたるところに D239/6
           :あちこち矢が飛び交っています D239/3
           :男ってみんなやくざなもの D866/3
           :若い尼僧 D828
           :アルセルモの墓で D504
           :月に寄せて D259
           :塔の中のグレートヒェン D564
           :糸を紡ぐブレートヒェン D118
リヒャルト・シュトラウス:「5つの歌」より 私の心は迷う Op.48-2
            :「最後の花びら」より 万霊節 Op.10-8
            :「素朴な歌」より 女の人たちは時に敬虔で物静かだ Op.21-1
            :「8つの歌」より 夜 Op.10-3/何もない Op.10-2/口の堅い者たち Op.10-6
            :「3つの歌」より 鳴り響くハート Op.29-2
            :「素朴な歌」より あなたは心の王冠 Op.21-2
            :「4つの歌」より あした Op.27, Nr.4
            :「クレメンス・ブレンターノの詩による6つの歌曲」より
              わたしは一本の花束を作りたかったの Op.68-2
            :「6つの歌」より セレナード Op.17-2

プロフィール

モイツァ・エルトマン(ソプラノ)

ハンブルク生まれ。6歳でヴァイオリンを始め、ハンブルク国立歌劇場の児童合唱団で活動する。14歳でエヴェリン・ヘルリツィウスに声楽を学び始め、その後ケルン音楽大学でハンス・ゾーティンに師事。同大学ではヴァイオリンも学んだ。現在はイングリット・フィグールの指導を受けている。2002年、ドイツ連邦コンクールで1位並びに現代音楽特別賞受賞。05年シュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭でNDR(北ドイツ放送)音楽賞、キッシンガーの夏音楽祭でルイトポルト賞を授与された。在学中からベルリン・コーミッシェ・オパーのアンサンブル・メンバーとなり、ベルリン・ドイツ・オペラ、バーゼル、マンハイムでもオスカル(仮面舞踏会)、ブロンデ(後宮からの誘拐)、ツェルリーナ(ドン・ジョヴァンニ)、ノリーナ(ドン・パスクヮーレ)、フンパーディンクのグレーテル役などで出演した。06年、アイヴァー・ボルトン指揮のモーツァルト「ツァイーデ」の表題役でザルツブルクにデビューすると、翌年には再びアイヴァー・ボルトンが振るハイドン「アルミーダ」のゼルミーラ役で再出演を果たした。また、サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルとはラヴェルの「子供と魔法」を共演、録音した。サイモン・ラトルはさらに、エクサンプロヴァンスとザルツブルクのイースター・フェスティバルにおけるワーグナーの「ジークフリート」新プロダクションで、エルトマンを森の小鳥役として起用した。09/10年のシーズンには、シュツットガルト国立歌劇場でマンフレート・ホーネック指揮シュトラウスの「ばらの騎士」で初めてゾフィー役を演じ、またテアター・アン・デア・ウィーンでのベルトラン・ドゥ・ビリー指揮ウエーバー「魔弾の射手」でも初めてエンヒェン役を歌った。現代音楽劇場作品の演者としても大人気のエルトマンは、ケント・ナガノ指揮、武満の「My Way of Life」の世界初演でベルリン国立歌劇場にデビューしている。またコンサートやリサイタルの演奏者としても高く評価されている。ニコラウス・アーノンクールに招かれて、エルトマンはウィーン楽友協会でシューマンの「楽園とペリ」、アムステルダムのコンセルトヘボウでシューマンの「ファウストからの情景」を歌っている。09年にはシャンゼリゼ管弦楽団と共演し、ファビオ・ルイジ指揮ウィーン交響楽団とマーラーの交響曲第4番でスペイン・ツアーを行い、クリスティアン・ゲルハーヘル及びゲロルト・フーバー共演によるヴォルフ「イタリア歌曲集」でドイツ・ツアーとロンドンのウィグモア・ホール公演を行った。10年にはヴォルフガング・リームの新作オペラ「ディオニソス」の世界初演で主役のソプラノを歌い、ザルツブルク音楽祭で大成功を収めた。10/11年シーズンでは、バーデン=バーデンにおける「コシ・ファン・トゥッテ」新プロダクションのデスピーナ、ニース・オペラのデビューとなる「フィデリオ」のマルツェリーネ、ケルンの「魔笛」のパミーナ、バイエルン国立歌劇場デビューとなる「こうもり」のアデーレなどがある。コンサート活動では、ドルトムント、ライプツィヒ、極東ツアーでマーラーの交響曲第4番と「子供の不思議な角笛」をマーラー室内管と共演し、さらにミュンヘン室内管とペルゴレージの「スターバト・マーテル」をミュンヘンとケルンで演奏する。10年にドイツ・グラモフォンの専属契約アーティストとなり、11年4月にはアンドレア・マルコン指揮ラ・チェトラ・バーゼル・バロック・オーケストラ共演の「モーストリー・モーツァルト」をリリース。


(c)Albert Lindmeier

ゲロルト・フーバー(ピアノ)

ミュンヘン音楽大学でフリーデマン・ベルガーのもとでピアノを学び、ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウのリートのクラスも受講した。1998年、クリスティアン・ゲルハーヘルと共にパリ/ニューヨーク国際プロ・ムジチス賞を受賞。イェール大学、アルデバーグ・フェスティバル、シュヴェツィンゲン・フェスティバルにおいてマスター・クラスを行っている。フーバーは、クリスティアン・ゲルハーヘル、モイツァ・エルトマン、ディアナ・ダムラウ、ルート・ツィーサク、マクシミリアン・シュミット、クリスティアーネ・カルク、ロランド・ヴィラゾン等との共演で著名なフェスティバル及び主要コンサート・ホールに出演している。クリスティアン・ゲルハーヘルと共演したフーバーのCDはすべてソニー・クラシカルからリリースされており、様々な賞を受賞している。RCA Red Sealで録音したシューマンの「メランコリー」は2009年のグラモフォン賞を受賞。その他の共演によるCDでは、ベルナルダ・フィンク(ハルモニア・ムンディ・フランスよりシューベルト)、ルート・ツィーサク(ベルリン・クラシックよりリスト、カプリッチョよりハイドン)がリリースされている。最近のレコーディングには、モイツァ・エルトマンとクリスティアン・ゲルハーヘル共演によるフーゴ・ヴォルフの「イタリア歌曲集」(ソニー)、マクシミリアン・シュミット共演によるクララとロベルト・シューマン/ハインリヒ・ハイネ(Oehms Classics)がある。