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Concert  コンサート情報

transit Vol.1
アトリウム弦楽四重奏団&大萩康司

2011年62日(木) 19:00開演

全席指定 4,000


大萩写真(c)ビクターエンタテインメント(株)

アトリウム弦楽四重奏団
 アレクセイ・ナウメンコ(ヴァイオリン)
 アントン・イリューニン(ヴァイオリン)
 ドミトリー・ピツルコ(ヴィオラ)
 アンナ・ゴレロヴァ(チェロ)
大萩康司(ギター)

有能な若手演奏家をフィーチャーする新シリーズ「transit」がスタートします。第1回は、2003年ロンドン国際弦楽四重奏コンクール優勝を契機に国際舞台へ躍り出たロシア出身のアトリウム弦楽四重奏団と、2010年にCDデビュー10年を迎えたギタリスト、大萩康司との共演です。アトリウム弦楽四重奏団はその後EMIからCDデビュー、欧州各地で演奏ツアーを行ない、ボルドー国際弦楽四重奏コンクールでも圧倒的な優勝を飾り、現在ベルリンに拠点を置いています。一方大萩康司は高校卒業後渡仏、パリ高等音楽院で学んだ後国際コンクールで受賞、世界各地から招かれ、様々な人との出会いを音楽の糧としています。アトリウム弦楽四重奏団が『お国もの』のロシアの作曲家を揃えたのに対し、ギター曲にはロシアから大きな影響を受けたキューバの作曲家、レオ・ブローウェルの作品が選ばれています。「音の詩人」と称される日本のギタリストとヨーロッパの実力派カルテットのコラボレーション。「transit」での新しい出会いにご期待ください。

 

トッパンホールにて収録された「アトリウム弦楽四重奏団演奏会」が放映される予定です。ぜひご覧ください。

2011年4月18日(月) 06:00~06:55
NHK-BSプレミアム 《クラシック倶楽部》

ボロディン:弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調から 第3楽章、第4楽章
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調 Op.22

<2009年10月5日 トッパンホール>

 

MESSAGE

 

この1ヶ月、私たちは毎日、日本のことを考えています。美しい国、日本を襲ったこの悲劇を信じることがいまだにできません。地震と津波の犠牲になった方々へ心からのお悔やみを申し上げます。現時点においても、自分たちの感じていることを表す的確な言葉が見つかりません。深い思いにとらわれるばかりです。なんて大きな悲劇が起こってしまったのだろうと。それでも、私たちは日本の皆さんの底力と不屈の精神に大変感銘を受けています。さらにこの困難な状況を乗り越えようとしている皆さんに、心を動かされています。

私たちはもうすぐ日本に行けることを心から楽しみにしています。私たちが届ける音楽が最も素晴らしい精神的な特効薬となり、勇気を奮いたたせる讃美歌となり、亡くなられたすべての方々へのレクイエムとなることを祈っています。

――2011年4月 アトリウム弦楽四重奏団

 

>>大萩康司インタビューを読む

プログラム

ブローウェル:舞踏礼賛 (ギター・ソロ)
      :ギターのためのソナタ (ギター・ソロ)
      :ギター五重奏曲

********** 休憩 **********

ストラヴィンスキー:弦楽四重奏のための3つの小品
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第7番 嬰へ短調 Op.108
アレンスキー:弦楽四重奏曲 第2番 イ短調 Op.35a

私たちクァルテットにとってギターとの共演は新しい試みであり、特に日本人演奏家と初めて共演できることを大変嬉しく思うしワクワクしています。弦楽四重奏とギターはとても興味深い楽器の組み合わせであり、その独特なサウンドもさることながら、これらのために書かれた素晴らしいレパートリーがあるので、コンサートでもっと頻繁に演奏されてもいいと思います。

レオ・ブローウェルの《ギター五重奏曲》とショスタコーヴィチ《弦楽四重奏曲第7番》は、それぞれ地球上の遠く離れた国に住む歴史的にも名高い2人の偉大な作曲家たちによって、1957年、1960年とほぼ同時期に作曲されています。

私たちにとって、この王子ホールでアレンスキーやストラヴィンスキーの作品を演奏することができるのもまた、エキサイティングなことです。まったく音楽性の異なる2人の作曲家たちですが、ともにサンクトペテルブルグでニコライ・リムスキー=コルサコフに師事し作曲を学んでいたという共通点があります。

聴衆の皆さんには、ロシア帝国、アメリカ合衆国、ソヴィエト社会主義共和国連邦という異なる世界におけるロシア音楽の盛衰を感じとっていただけることでしょう。

――アトリウム弦楽四重奏団

プロフィール

アトリウム弦楽四重奏団

2003年、世界的権威であるロンドン国際弦楽四重奏コンクール第1位、聴衆賞を獲得。これを契機にまたたくまに国際舞台へ躍り出る。ショスタコーヴィチの5番でBBCラジオ3でのデビュー、さらに、EMIからのCDデビューも実現。そして、07年第5回ボルドー国際弦楽四重奏コンクールで圧倒的な優勝を飾り、併せてMMSG賞を受賞。2000年秋、ジョゼフ・レヴィンソン教授の指導のもと、サンクト・ペテルブルク音楽院に学ぶ4人により結成。アルバン・ベルク弦楽四重奏団、フェルメール・クァルテット、東京クヮルテットのメンバー、そしてベルリン芸術大学のフェルツ教授の指導を受けた。これまでに、モスクワ(01年)、クレモナ(02年)、ワイマール(02年)のそれぞれの国際コンクールで2位を受賞。02年のワイマールでの副賞として、ショスタコーヴィチとドビュッシーの録音が実現した。さらに、03年ロンドン国際弦楽四重奏コンクールの優勝により活動の場が拡がり、ベートーヴェン、シュヴェツィンゲン、オルランドなどの国際音楽祭に招かれる。イタリア、フランス、デンマーク、スペイン、オランダ、イギリスなど各地で演奏会ツアーも行う。さらに、06年2月から1年間、オランダ弦楽四重奏アカデミーのレジデント・クァルテットを務めた。オランダでは、オルランド弦楽四重奏団の創設者でありチェリストのシュテファン・メッツの指導を受けた。07年からはハンス・アイスラー音楽大学でフェルツ教授に師事。現在は、ベルリンに拠点を置く。


(c)ビクターエンタテインメント(株)

大萩康司(ギター)

1978年宮崎県生まれ。8歳よりギターを始め、萩原 博、中野義久(フォレストヒル・ミュージックアカデミー)、福田進一に師事。パリのエコール・ノルマルに入学。翌年、パリ国立高等音楽院(コンセルヴァトワール)で学ぶ。88年ハバナ国際ギター・コンクールにて第2位及び審査員特別賞(レオ・ブローウェル賞)を受賞。2000年9月『11月のある日』でCDデビュー。01年イタリアのシエナで開かれるキジアーナ音楽院でオスカー・ギリアに師事。4年連続最優秀ディプロムを取得。03年2月アメリカのワシントン・ケネディ・センターでの初公演は、インターネットにより全世界に同時配信された。04年、第6回ホテルオークラ音楽賞受賞。05年、キューバの音楽見本市「CUBADISCO2005」に日本人のクラシック・ギタリストとしては初めて招聘され、キューバ国立交響楽団、セナイダ・ロメウ指揮でアランフェス協奏曲を演奏し、大成功を収めた。06年5月にはコロンビアのボゴタで開催された「コンペンサール・ギターフェスティバル」にソリストとして招聘され、07年には初の韓国・ソウル公演を行い、地元のファンを熱狂させるなど、国際的な活動を展開。08年「第18回 出光音楽賞」受賞、09年アルゼンチン作曲家の作品を集めたCD「風の道」を発売またデビュー10周年になる10年5月には初のベスト・アルバム「フェリシタシオン!」をリリースするなど、これまでに11枚のCD、2枚のDVDをリリースしている。9月にキューバ、10月上海、カナダでの公演を成功させ、12月には台湾で公演を行う。